研究開発活動

研究開発方針

当社は、研究過程において各種標的に対する作用を持つ化合物をライブラリーとして蓄積し、そのなかから疾患や治療に結びつく薬剤を探し出す「化合物オリエント」という創薬手法で独創的な新薬の創製を目指しています。これは、疾患領域を定めず、脂質や酵素阻害などの創薬標的群を重点領域と定める当社独自の手法であり、ライブラリーとして豊富に蓄積された化合物を有効活用することにより、画期的な医薬品の創製につながる可能性が高まると考えています。一方、ゲノム研究から抗PD-1抗体「オプジーボ」 (ニボルマブ)が見出され、当社として全く新しい標的(バイオ医薬品)領域から世界初の革新的ながん治療薬を創製することができました。今やがん治療およびその支持療法の領域は、当社の重要な戦略分野であり、新たにオンコロジー研究部を組織して、オプジーボの創製で培われたがん免疫に関する技術やノウハウを生かしながら、新たな創薬標的領域やバイオ医薬など次世代の治療薬にも視野を広げ、積極的に新薬の創製に取り組んでいきます。
これまでのプロスタグランジン関連薬の創製は、国内外の大学との連携、すなわち当社のオープン・イノベーションに対する取り組みの成果です。また、オプジーボの創製も京都大学とのオープン・イノベーションから生まれた成果です。このように、当社は「オープン・イノベーション」という言葉が盛んに使われるようになるずっと以前から、さまざまな分野で世界の最先端技術や知見を利用した創薬活動を推進してきました。
また、当社が見出した新規化合物を早期から大学や研究機関に提供し、医薬品としての使途をこれまで以上に迅速に探索する当社独自の産学連携による研究ネットワーク「オリエンタム・イノベーション®」を構築し、これまでに東北大学および東京大学との新規生理活性脂質に関する研究提携をはじめ、3件のオリエンタム・イノベーション®を開始しました。今後も、同様の取り組みを国内外で進めていきます。さらに、東京大学の創薬機構(旧創薬イノベーションセンター)に当社独自の化合物ライブラリーを提供する契約を締結し、また製薬企業と海外のアカデミアが連携してGタンパク質共役受容体の立体構造解析を推進する組織「GPCRコンソシアム」に創設メンバーとして参画するなど、新薬の創製につながる活動を続けています。
いずれの創薬研究においても、産学連携によるオープン・イノベーション戦略を最大限活用して、国内外の最先端の研究機関との連携を加速することで、医療ニーズが満たされない領域における独創的な医薬品やがん治療の革新的な治療薬の創製を目指します。