自社創薬

研究開発の重点領域

当社の研究開発では、「独創的で画期的な新薬を創製する」創薬方針のもと、特長のある生理活性脂質や独自の標的分子に着目して画期的な新薬候補化合物の創製を目指す創薬アプローチ「化合物オリエント」をベースに、4つの重点研究領域を定めています。

重点領域ごとの創薬体制

4つの重点領域で疾患ノウハウを蓄積・活用し、創薬の競争力を強化します。

  • がん

    オンコロジー研究センター

    腫瘍免疫のパイオニアとして、免疫チェックポイント阻害剤オプジーボの研究開発で培ってきた経験や技術・ノウハウを生かし、第二、第三のオプジーボとなる画期的な抗がん剤創製をめざしています。国内外の研究機関との共同研究を通じて、最先端科学からのイノベーションを追求し、独自創薬シーズの探索やトランスレーショナル研究を推進するとともに、新たな創薬モダリティにも挑戦しています。

  • 免疫

    イムノロジー研究センター

    オプジーボを生み出した土壌にもなった免疫研究を長年継続してきた経験を生かすべく、2016年4月に発足した免疫研究センターを前身として、免疫分野を主軸にバイオ医薬を基盤に据えた研究体制を敷き、腫瘍免疫および自己免疫の両領域への創薬をめざしています。セレンディピティとそれを見逃さない洞察力を強く意識したユニークな研究を発展させていく方針で運営しています。

  • 神経

    ニューロロジー研究センター

    神経系を構成する神経細胞と、その生存や機能発現のために必要な環境の維持と支援に寄与しているグリア細胞に着目しています。患者さんの組織やiPS細胞を用いた解析により、高齢化が進む社会において大きな問題となっている神経変性疾患や、社会的損失が大きい精神疾患や慢性疼痛の患者さんのための、対症療法だけではなく根治療法となる革新的な医薬品の創製をめざしています。

  • スペシャリティ

    スペシャリティ研究センター

    適応疾患に捉われず、アンメットニーズの高い疾患に対して、医療インパクトがあり、臨床的に価値のある医薬品の創製をめざします。そのためには患者さん、医療従事者、社会における真の医療ニーズを的確に捉え、病因を理解して創薬に着想することが重要です。当社独自の「化合物オリエント」という手法も活用し、創薬を行っています。

事例紹介

  • オンコロジー研究センター

    ONO-4578:EP4拮抗剤

    がん細胞から産生されるプロスタグランジンE2(PGE2)は、種々の免疫細胞に発現するPGE2受容体EP4に作用し、がん免疫のはたらきを抑制しています。ONO-4578は、EP4をブロックすることでがん免疫を回復し、がん細胞を攻撃することを期待しています。

    がん細胞は、合成酵素COX-2によりPGE2を産生する。PGE2は、種々の免疫細胞に発現するEP4を介して、がん免疫のはたらきを抑制している。
    ONO-4578はEP4に対する選択的拮抗剤であり、基礎実験からは、PGE2の作用を抑制し、がん免疫を回復することで抗腫瘍効果を示すことが確認されている。
    抗PD-1抗体ニボルマブ(オプジーボ®)の抗腫瘍効果を増強することも期待されている。

  • イムノロジー研究センター

    ONO-4685:PD-1×CD3二重特異性抗体

    PD-1は免疫を抑制する受容体であり、活性化したT細胞に発現誘導され、活性化シグナルを抑制します。一方、CD3はT細胞を活性化する受容体の構成分子です。
    ONO-4685は、 PD-1とCD3の両方を認識する二重特異性抗体であり、当センターが仮説に基づき独自にデザインしたものです。ONO-4685は、自己免疫疾患の新規治療薬になり得ると考え、現在臨床試験を実施中です。

    当センターでは特殊な遺伝子改変マウスを構築し、ONO-4685が活性化したT細胞を抑制することで、自己免疫疾患モデルに効果を示すという仮説を証明しています。

  • ニューロロジー研究センター

    ONO-2910:シュワン細胞分化促進剤

    末梢神経細胞の軸索の周りにはグリア細胞の一種であるシュワン細胞が巻き付いて髄鞘を形成し、神経細胞の働きを支えています。シュワン細胞に作用し、髄鞘形成を促進するONO-2910は、末梢神経細胞を保護したり再生を促すことにより、末梢神経障害に伴う様々な症状を改善すると期待しています。

    末梢神経細胞(橙)の軸索にはシュワン細胞(青)が巻き付き、髄鞘を形成している。
    ONO-2910はシュワン細胞の分化を促進し、髄鞘形成を促進する。

  • スペシャリティ研究センター

    ベレキシブル:BTK阻害剤

    ベレキシブルは、当社が創製した選択性の高い経口ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤であり、BTK阻害剤として世界で初めて中枢神経系原発リンパ腫治療薬として承認を取得しました。現在、がん領域以外の疾患でも開発を進めています。

    自己免疫疾患等では、免疫の重要な機能を担うB細胞の受容体(BCR)のシグナル伝達が恒常的に活性化していることが知られている。
    ベレキシブルはBCRシグナル伝達の中心的役割を担うBTKを阻害することで、自己免疫疾患(天疱瘡等)に対しても優れた効果を発揮するものと期待される。