短時間作用型β1選択的遮断剤「オノアクト®点滴静注用50mg/150mg」小児の心機能低下例における頻脈性不整脈の効能又は効果の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下、当社)は、本日、短時間作用型β1選択的遮断剤「オノアクト®(一般名:ランジオロール塩酸塩)点滴静注用50mg/150mg」(以下、オノアクト)について、「小児の心機能低下例における頻脈性不整脈(上室頻拍、心房細動、心房粗動)」に対する効能又は効果の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得しましたので、お知らせします。
今回の承認は、国内で実施した小児の心機能低下例における頻脈性不整脈を対象とした後期第Ⅱ相/第Ⅲ相多施設共同非盲検非対照試験(Heartful study:ONO-1101-31)の結果に基づいています。本試験において、主要評価項目であるオノアクト投与開始2時間後における投与直前の心拍数に対する20%以上の徐拍化又は洞調律への復帰を認めた患者割合(目標達成患者の割合)は48.0%(12/25例)でした。安全性に関しては、本試験で認められた安全性プロファイルは、既承認の効能又は効果の試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は認められませんでした。
小児の先天性心疾患に対する開心術後などの循環動態が不安定な心機能低下例において、頻脈性不整脈が持続すると重篤化し、死に至ることがあるため、直ちに頻脈性不整脈に対する治療が必要になります。小児では体格や年齢によって、カテーテルアブレーション等の非薬物治療が困難な場合があることから、薬物治療が重要かつ主たる治療手段となります。しかしながら、国内で小児適応が認められている抗不整脈薬は少なく、治療選択肢は限られています。
オノアクトは、短時間作用型β1選択的遮断剤であり、主に心臓に多く存在するβ1受容体を選択的に遮断し速やかに心拍数を減少させることにより、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈の新たな治療選択肢になるものと期待しています。
「オノアクト®点滴静注用50mg/150mg」の製品概要
製品名 | オノアクト®点滴静注用50mg/150mg |
一般名 | ランジオロール塩酸塩 |
効能又は効果 | <成人>
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用法及び用量 | <手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置>
ランジオロール塩酸塩として、1分間0.125 mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04 mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01~0.04 mg/kg/minの用量で適宜調節する。 <手術後の循環動態監視下における頻脈性不整脈に対する緊急処置>ランジオロール塩酸塩として、1分間0.06 mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.02 mg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。5~10分を目安に目標とする徐拍作用が得られない場合は、1分間0.125 mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04 mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01~0.04 mg/kg/minの用量で適宜調節する。 <成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈>ランジオロール塩酸塩として、1 μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し1~10 μg/kg/minの用量で適宜調節する。 <生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合>ランジオロール塩酸塩として、1 μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し1~10 μg/kg/minの用量で適宜調節する。なお、心室細動又は血行動態不安定な心室頻拍が再発し本剤投与が必要な場合には、心拍数、血圧を測定し最大40 μg/kg/minまで増量できる。 <敗血症に伴う頻脈性不整脈>ランジオロール塩酸塩として、1 μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し、維持量は適宜増減する。ただし、最大用量は20 μg/kg/minを超えないこと。 |
製造販売 | 小野薬品工業株式会社 |
承認取得日 | 2022年8月24日 |
※今回の承認による改訂箇所は下線で表示