2022.08.10
研究開発

小野薬品とナレッジパレット、データ駆動型の新薬創出基盤の構築に関する共同研究の拡大についての契約を締結

-大規模トランスクリプトーム解析技術に基づくデータ駆動型の新薬創出基盤の構築を目指す-

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下、小野薬品)と株式会社ナレッジパレット(本社:神奈川県川崎市、代表取締役:團野宏樹・福田雅和、以下、ナレッジパレット)は、本日、ナレッジパレットの大規模トランスクリプトーム解析技術を活用した、データ駆動型の新薬創出基盤の構築を目的とする共同研究を拡大する契約を締結しましたので、お知らせします。

 2021年11月に締結しました共同研究契約に基づき、両社は、従来と比較してより大規模なデータとインフォマティクスを駆使して、新たな創薬の仮説をデータ駆動的に創出し得る可能性を検討してきました。

 今回の共同研究の拡大では、多種類の化合物で処理したヒト細胞や遺伝子機能阻害等の摂動を与えたヒト細胞における遺伝子発現パターンの全体像を、ナレッジパレットが有する大規模トランスクリプトーム解析技術を活用して、データベース化します。そのデータベースを活用して、得られる網羅的細胞データを情報科学的アプローチにより解析することで、数多くの新規創薬標的となりうる分子メカニズムを明らかにし、データ駆動型の新薬創出の基盤を構築することに取り組んでいきます。
 将来的には、より大規模に高精度な網羅的細胞データを追加取得することで、広範な疾患領域に対して新規の創薬仮説を生み出すことに繋がることが期待されます。

 小野薬品の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野十一は、「当社は、ナレッジパレット社の有する1細胞レベルの全遺伝子発現解析技術(Quartz-Seq2)を応用した研究開発基盤を高く評価しています。今回のナレッジパレット社との拡大共同研究契約を通じて、当社の革新的な医薬品の開発パイプラインが一層拡充されることを期待しています。」と述べています。

 ナレッジパレットの代表取締役CEOである團野宏樹は、「当社は全遺伝子発現情報と情報科学を活用した新しい表現型創薬を行っています。本研究で得られる大規模で包括的な細胞表現型データを、当社プラットフォームの基盤データベースに追加することで、多くの新しい創薬仮説を創出し、より開発成功確率の高い新薬候補化合物や細胞医薬シーズを探索できるようになると考えています。」と述べています。

株式会社ナレッジパレットについて

 ナレッジパレットは、2020年の国際ベンチマーキング大会にて世界最高精度を有すると評価された、1細胞レベルの全遺伝子発現解析技術(Quartz-Seq2)を応用することで、細胞のトランスクリプトームを基点とした表現型創薬及び再生医療高品質化を行う研究開発サービスを提供しており、製薬企業や研究機関と共同研究を進めています。