2021.05.20
研究開発

第Ⅲ相CheckMate -227試験の4年データで、オプジーボとヤーボイの併用療法がPD-L1発現率1%以上の非小細胞肺がん患者において持続的な長期生存ベネフィットを示す

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2021年5月19日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、ブリストル マイヤーズ スクイブのウェブサイト(https://www.bms.com/media/press-releases.html )をご参照ください。


Bristol Myers Squibb

本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2021年5月19日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

第Ⅲ相CheckMate -227試験の4年データで、オプジーボとヤーボイの併用療法がPD-L1発現率1%以上の非小細胞肺がん患者において持続的な長期生存ベネフィットを示す

  • オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、非小細胞肺がんを対象に免疫療法薬の併用療法を評価した第Ⅲ相試験における最長の追跡調査で、引き続き臨床的に意義のある生存ベネフィットを示しました。
  • PD-L1発現率が1%以上の主要な患者集団において、4年時点で全生存期間の延長および主な副次評価項目の改善が認められました。
  • PD-L1発現率が1%未満の患者における探索的解析では、オプジーボとヤーボイの併用療法が、化学療法と比較して、2倍以上の4年生存率を示しました。
  • データは、2021年米国臨床腫瘍学会年次総会にて発表されます。

 (ニュージャージー州プリンストン、2021年5月19日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -227試験でのPart 1の最短4年以上(49.4カ月)の追跡調査で、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法が、化学療法と比較して、PD-L1発現レベルまたは組織型にかかわらず、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者のファーストライン治療において、引き続き長期生存ベネフィットを示したことを発表しました。

  • PD-L1発現率が1%以上の主要な患者集団における4年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で29%、化学療法群では18%でした [ハザード比(HR)0.76、95%信頼区間(CI):0.65 - 0.90]。
  • PD-L1発現率が1%未満の患者における探索的解析で、4年生存率は、化学療法群と比較して、オプジーボとヤーボイの併用療法群で2倍以上でした(併用療法群24% vs 化学療法群10%;HR 0.64、95% CI:0.51 - 0.81)。

 免疫療法薬の2剤併用療法の安全性プロファイルは、NSCLCに関して報告されたこれまでのデータと一貫しており、確立されたプロトコルによって管理可能でした。また、新たな安全性シグナルは認められませんでした。完全なデータは、2021年米国臨床腫瘍学会年次総会にて、2021年6月4日、午前9時(米国東部夏時間)にポスター・ディスカッション・セッションで発表されます(抄録番号#9016)。
 ドセ・デ・オクトゥブレ大学病院の内科腫瘍部門長であるLuis G. Paz-Ares(M.D., Ph.D.)は、次のように述べています。「私たち臨床医が肺がん治療において目指すのは、患者さんの生存期間の延長です。肺がんは今も、がんによる死亡の主な原因となっています。CheckMate -227試験の4年間の追跡調査では、ニボルマブとイピリムマブの併用療法が、引き続き持続的な全生存期間の延長と良好な奏効期間を示しました。これらのデータは、進行非小細胞肺がんの治療における私たちの進展の象徴であり、ファーストライン治療の選択肢として、この免疫療法薬の2剤併用療法の重要性を裏付けています。」
 PD-L1発現率が50%以上の患者を含むPD-L1発現患者における探索記述的解析では、4年時点で、オプジーボとヤーボイの併用療法が、オプジーボ単剤療法と比較して、有効性のベネフィットを示し、長期予後の改善におけるヤーボイの重要性を裏付けました。

  • PD-L1発現率が1%以上の患者での生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で29%、オプジーボ単剤療法群では21%でした。
  • PD-L1高発現(50%以上)患者での生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で37%、オプジーボ単剤療法群では26%でした。

 同様に、PD-L1発現率が1%未満の患者における探索記述的解析では、オプジーボとヤーボイの併用療法群は、オプジーボと化学療法の併用療法群と比較して、全生存期間(OS)のベネフィットを示し、4年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で24%、オプジーボと化学療法の併用療法群で13%でした。
 本試験で、オプジーボとヤーボイの併用療法群は、化学療法群と比較して、より持続的な奏効を達成しました。奏効は、患者が本試験のプロトコルに従い最長2年間にわたる投与を終えた後も持続しました。

  • PD-L1発現率が1%以上の患者での奏効率は、4年時点で、オプジーボとヤーボイの併用療法群で3分の1以上の34%、化学療法群では7%でした。
  • PD-L1発現率が1%未満の患者での奏効率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で31%、化学療法群では0%でした。

 ブリストル マイヤーズ スクイブの胸部がん領域開発担当バイスプレジデントであるAbderrahim Oukessou(M.D.)は、次のように述べています。「追跡調査を1年また1年と重ねるごとに、肺がんだけでなくさまざまながん腫において、オプジーボとヤーボイの併用療法の持続的ベネフィットが引き続き示されています。オプジーボとヤーボイの併用療法による長期予後の改善を示したCheckMate -227試験の4年間の追跡調査の結果は、ファーストラインの進行非小細胞肺がんを対象とした免疫療法薬の併用療法に関する最も成熟した第Ⅲ相試験データです。本試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝します。皆様のおかげで、免疫療法薬の2剤併用療法の実証されたベネフィットを、引き続き世界中の非小細胞肺がん患者さんへお届けすることができます。」
 オプジーボとヤーボイによる併用療法は、現在までに、6つの第Ⅲ相臨床試験においてOSの有意な改善を示しています:NSCLCに対するCheckMate -227試験およびCheckMate -9LA試験、転移性悪性黒色腫に対するCheckMate -067試験、進行腎細胞がんに対するCheckMate -214試験、悪性胸膜中皮腫に対するCheckMate -743試験、食道扁平上皮がんに対するCheckMate -648試験。

CheckMate -227試験について

 CheckMate -227試験は、ファーストラインの進行非小細胞肺がん患者を対象に、非扁平上皮がんおよび扁平上皮がんの組織型にかかわらず、オプジーボを含むレジメンとプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を比較評価した複数のパートで構成された非盲検第Ⅲ相臨床試験です。
 Part 1では、オプジーボとヤーボイの併用療法(化学療法と比較)について、二つの主要評価項目を設定しました。一つは、PD-L1発現患者における全生存期間(OS)(Part 1aに組み入れられた患者で評価)、もう一つは、PD-L1発現の有無にかかわらず、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が10変異/メガベース(mut/mb)以上の患者における無増悪生存期間(PFS)(Part 1aおよび1bに組み入れられた患者で評価)です。患者には以下の用量を投与しました。

  • Part 1a:PD-L1発現率が1%以上の患者を対象に、オプジーボ(3 mg/kgを2週間間隔)とヤーボイ(1 mg/kgを6週間間隔)の併用療法またはオプジーボ単剤療法(240 mgを2週間間隔)を化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)と比較評価。
  • Part 1b:PD-L1非発現(1%未満)の患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法またはオプジーボ(360 mgを3週間間隔)と化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)の併用療法を化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)と比較評価。

 Part 1では、主要評価項目であるPFS(PD-L1発現の有無にかかわらず、TMBが高レベル(10 mut/mb以上)の患者において、オプジーボとヤーボイの併用療法と化学療法を比較)およびOS(PD-L1発現率が1%以上のファーストラインのNSCLC患者で、オプジーボとヤーボイの併用療法が、化学療法と比較して良好なベネフィットを示した)の両方を達成しました。

肺がんについて

 肺がんは、世界的にがんによる死亡の主な原因となっています。肺がんは、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類に大きく分類されます。非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ84%を占めています。生存率は、診断された際の進行度(ステージ)とがんの種類によって異なります。進行NSCLCと診断された患者の5年相対生存率は約6%です。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

ヤーボイについて

 ヤーボイは、細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、T細胞の活性化を抑制する調節因子です。ヤーボイは、CTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクターT細胞などの、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。また、CTLA-4のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性があります。2011年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は切除不能または転移性悪性黒色腫を適応としてヤーボイ3mg/kg単剤療法を承認しました。現在、ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として、50カ国以上で承認されています。ヤーボイに関しては、複数のがん腫で、幅広い開発プログラムが進められています。

オプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebook およびInstagram をご覧ください。
 セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外のいくつかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、将来の市販後の試験結果が本試験の結果と一致する可能性、オプジーボとヤーボイの併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功する可能性、およびそのような併用療法のそのような追加の適応症の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性が含まれます。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2020年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。