2021.05.19
医薬品

関節機能改善剤「ジョイクル®関節注30mg」の新発売のお知らせ

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「小野薬品」)と生化学工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:水谷 建、以下「生化学工業」)は、2021年3月に生化学工業が国内製造販売承認を取得した関節機能改善剤「ジョイクル®関節注30mg」(一般名:ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム、以下「ジョイクル」)について、小野薬品が本日販売を開始しましたので、お知らせします。

 ジョイクルは、生化学工業が独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸にジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤であり、加水分解によりジクロフェナクを遊離します。ジョイクルは、変形性関節症(膝関節、股関節)の治療薬として承認されており、4週間に1回、関節腔内への投与により、その症状を改善することが期待されます。また、注射剤として関節腔内に直接投与するため、ジクロフェナクの全身曝露量が少なく、全身性の副作用のリスクが低いと考えています。
 なお、関節機能改善剤において、変形性股関節症の適応を持つ国内初の医薬品となります。

 小野薬品および生化学工業は、変形性関節症(膝関節、股関節)における新たな治療の選択肢を提供することで、患者さんの生活の質の向上に貢献することを目指してまいります。

ジョイクルの概要

製品名 ジョイクル®関節注30mg
一般名 ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム
効能又は効果 変形性関節症(膝関節、股関節)
用法及び用量 通常、成人1回1シリンジ(ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウムとして1回30mg)を4週間ごとに関節腔内に投与する。
製造販売承認日 2021年3月23日
薬価基準収載日 2021年5月19日
薬価 4,394円(30mg/3mLシリンジ)
製造販売元 生化学工業株式会社
販売元 小野薬品工業株式会社

製品写真

JOYCLU

変形性関節症について

 変形性膝関節症は加齢などの要因により、また変形性股関節症は先天的な要因などにより、関節の軟骨が傷つき炎症を起こすことで痛みが生じる疾患であり、いずれも罹患すると生活の質の低下につながります。国内での有症状患者数は、変形性膝関節症が約780万人と推計されており、特に女性に多く、70歳台女性の約70%が罹患していると言われています*1。また、変形性股関節症については、X線診断上の有病率は1.0~4.3%と報告されており、男性は0~2.0%、女性は2.0~7.5%の有病率となっています*2

  1. Yoshimura N et al. J Bone Miner Metab 2009;27:620-8.
  2. 変形性股関節症診療ガイドライン2016. 改訂第2版. 東京: 株式会社南江堂; 2016: 10-13.