2021.04.15
研究開発

ブリストル マイヤーズ スクイブ、進行腎細胞がん患者のファーストライン治療薬として、オプジーボ®とカボメティクス®の併用療法に対する欧州委員会の承認を取得

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2021年4月14日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、ブリストル マイヤーズ スクイブのウェブサイト(https://www.bms.com/media/press-releases.html )をご参照ください。


Bristol Myers Squibb

本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2021年4月14日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

ブリストル マイヤーズ スクイブ、進行腎細胞がん患者のファーストライン治療薬として、オプジーボ®とカボメティクス®の併用療法に対する欧州委員会の承認を取得

  • 今回の承認は、オプジーボとカボメティクスの併用療法が、スニチニブと比較して、有意に全生存期間を改善し、無増悪生存期間の中央値と奏効率を2倍に改善した第Ⅲ相CheckMate -9ER試験に基づいています。
  • オプジーボとカボメティクスの併用療法による治療関連の投与中止率は低く、忍容性は全体的に良好でした。
  • 欧州連合では、進行腎細胞がん患者のファーストライン治療薬として、オプジーボによる2種類の治療法が承認されたことになります(中および高リスクの進行腎細胞がんに対する標準治療でのオプジーボとヤーボイの併用療法とリスク状況にかかわらず承認されたオプジーボとカボメティクスの併用療法です)。

 (ニュージャージー州プリンストン、2021年4月14日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、欧州委員会(EC)が、進行腎細胞がん(RCC)の成人患者のファーストライン治療薬として、オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)とカボメティクス®(一般名:カボザンチニブ)の併用療法を承認したことを発表しました。ECの決定は、オプジーボとカボメティクスの併用療法が、スニチニブと比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)、ならびに奏効率(ORR)および全生存期間(OS)の3つの主な評価項目で良好な有効性を示した第Ⅲ相CheckMate -9ER試験の結果に基づいています。オプジーボとカボメティクスの併用療法の忍容性は良好でした。安全性については、投与の中止につながる治療に関連する有害事象(TRAE)の発現率は低く、これまでに両剤で報告されているプロファイルと一貫していました。
 ブリストル マイヤーズ スクイブの泌尿生殖器がん領域、バイスプレジデント兼開発プログラム責任者であるDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「今回の承認により、スニチニブと比較して有意な生存ベネフィットを示した治療法として、オプジーボによる2種類の併用療法を患者さんにお届けできるようになりました。本日のマイルストーンは、進行腎細胞がん患者さんに対する革新的な治療法を開発し、提供してきた私たちの実績に基づくものです。最初は、唯一の免疫療法薬2剤のオプジーボとヤーボイの併用療法による選択肢、そして今、免疫療法薬とチロシンキナーゼ阻害剤による新しい併用療法が承認されました。欧州のステークホルダーの皆さんと協力し、この併用療法からベネフィットを得られる可能性のある患者さんにオプジーボとカボメティクスの併用療法をお届けできるよう取り組んでまいります。」
 イェーナ大学病院の内科教授兼泌尿器科長であるMarc-Oliver Grimm(M.D.)は、次のように述べています。「ニボルマブとカボザンチニブの併用療法は、進行腎細胞がんの治療薬として実証された2つの薬剤を組み合わせたものであり、CheckMate -9ER試験では、スニチニブと比較して、主な評価項目および患者サブグループ全体で良好な有効性を示しました。また、同併用療法の安全性プロファイルは従来のプロトコルによって管理可能であり、治療関連の投与中止率は低くなりました。本日の承認により、EUの臨床医師は、進行腎細胞がん患者さんに対し、疾患の早期管理を達成し生存予後を改善する可能性を持つ新たな併用療法を提供できるようになります。」
 オプジーボとカボメティクスの併用療法は、EUにおいて、RCCを対象に、柔軟な投与レジメンで承認されました。オプジーボ240 mgを2週間間隔、またはオプジーボ480 mgを4週間間隔で点滴静注するレジメンのいずれかを選択でき、併せてカボメティクス40 mgを1日1回経口投与します。
 EUに加え、オプジーボとカボメティクスの併用療法は、2021年1月、進行RCCのファーストライン治療薬として、米国食品医薬品局による承認 を取得しました。現在、世界の保健当局により、さらなる申請の審査が進められています。CheckMate -9ER試験の結果は、2021年3月、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載されました。
 国際腎臓がん連合会長であるRachel Giles(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「研究の進展により、患者さんは進行腎臓がんを抱えながら長く生きられるようになり、治療が日々の生活に与える影響を検討する重要性が増しています。進行腎細胞がん患者さんに対し、疾患管理はもちろん、健康関連の生活の質を維持できる可能性のある新しいファーストラインの併用療法が承認され、うれしく思います。」
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -9ER試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。

CheckMate -9ER試験の有効性と安全性結果

 CheckMate -9ER試験において、オプジーボとカボメティクスの併用療法は、スニチニブと比較して、良好なPFS、ORRおよびOSの改善を示し、投与の中止につながるTRAEの発現率は低率でした。最短10.6カ月の追跡調査による結果は以下のとおりです:

  • PFS:オプジーボとカボメティクスの併用療法は、スニチニブと比較して、試験の主要評価項目であるPFSの中央値を2倍に延長しました(併用療法群16.6カ月 vs スニチニブ群8.3カ月;HR 0.51;95% CI:0.41 - 0.64; p <0.0001)。
  • OS:併用療法は、スニチニブと比較して、死亡リスクを40%低減しました(HR 0.60;98.89% CI:0.40 - 0.89;p=0.0010;OSの中央値は両群ともに評価不能)。
  • ORR:併用療法は、スニチニブと比較して、2倍の奏効率を示しました(併用療法群55.7% vs スニチニブ群27.1%)。
  • グレード3以上の有害事象:本試験におけるグレード3以上の副作用の発現率は、併用療法群とスニチニブ群で同等でした(併用療法群75% vs スニチニブ群71%)。
  • TRAEによる投与中止:TRAEによる投与中止率は、併用療法群で5.6%、オプジーボのみで6.6%、カボメティクスのみで7.5%でした。スニチニブ群では、TRAEによる投与中止率は、8.8%でした。

 最短16.0カ月の追跡調査に基づく最新解析では、オプジーボとカボメティクスの併用療法は、スニチニブと比較して、持続的な有効性の改善を示しました。これらのデータは、2021年米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウムで発表されました。
 最短16.0カ月の追跡調査において、患者の10%以上で最も頻繁に報告された副作用は、下痢(64.7%)、疲労(51.3%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(40.0%)、口内炎(38.8%)、筋骨格痛(37.5%)、高血圧(37.2%)、発疹(36.3%)、甲状腺機能低下症(35.6%)、食欲減退(30.3%)、悪心(28.8%)、腹痛(25.0%)、味覚異常(23.8%)、上気道感染症(20.6%)、咳嗽(20.6%)、そう痒症(20.6%)、関節痛(19.4%)、嘔吐(18.4%)、発声障害(17.8%)、頭痛(16.3%)、消化不良(15.9%)、浮動性めまい(14.1%)、便秘(14.1%)、発熱(14.1%)、浮腫(13.4%)、筋痙縮(12.2%)、呼吸困難(11.6%)、蛋白尿(10.9%)、および甲状腺機能亢進症(10.0%)でした。

CheckMate -9ER試験について

 CheckMate -9ER試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)患者を対象とした多国籍共同無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。患者651例(低リスク:23%、中リスク:58%、高リスク:20%;PD-L1発現レベル1%以上:25%)は、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(323例)またはスニチニブ群(328例)に無作為に割り付けられました。本試験の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)です。副次評価項目は、全生存期間(OS)および奏効率(ORR)です。主要な有効性解析は、無作為化された全患者における2剤併用療法とスニチニブとの比較です。本試験は、ブリストル マイヤーズ スクイブおよび小野薬品工業株式会社がスポンサーとなり、Exelixis社、Ipsen社および武田薬品工業株式会社が共同出資を行っています。

腎細胞がんについて

 腎細胞がん(RCC)は成人の腎臓がんの中で最も一般的な型であり、毎年、世界で431,000人以上が新たに診断され、179,000人が亡くなっています。RCCは男性が女性の約2倍発症し、罹患率は北米と欧州で特に高くなっています。転移性または進行期の腎臓がんと診断された患者の5年生存率は13%です

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

オプジーボの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebook およびInstagram をご覧ください。
 セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外のいくつかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、欧州各国における価格設定および保険償還に関する交渉に起因して、本プレスリリースに記載された追加の適応症でのオプジーボとカボメティクスの併用療法の商業化が遅延または制限される可能性、そのような併用療法の本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性、そのような併用療法の本プレスリリースに記載された追加の適応症が商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれます。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2020年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。