平成14年7月23日

国内初の短時間作用型β1選択的遮断剤「注射用オノアクト®50」製造承認取得のお知らせ

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市、社長:松本 公一郎)は手術時の頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する治療剤「注射用オノアクト®50」の製造承認を本年7月5日付で取得しましたので、お知らせ致します。

 手術時には、気管内挿管および抜管、皮膚切開、手術操作などの生体への種々の刺激によって、主に交感神経からカテコールアミンが過剰に放出され、心拍数が増加し頻脈性不整脈が発生しやすくなります。
 特に、虚血性心疾患や高血圧を有する患者さんの場合は、わずかな心拍数の増加でも心臓の負荷を増大させ、ひいては心臓の冠動脈などの虚血を引き起こす場合があります。
 そこで、手術時の頻脈性不整脈に対して緊急処置が可能で、調節性に優れた薬剤の開発が望まれていました。

 注射用オノアクトは、このような医療現場のニーズに則して開発された薬剤で、主に心臓に存在するβ1受容体を選択的に遮断し、カテコールアミンによる心拍数の増加作用を抑制することで頻脈性不整脈を改善します。
 本剤は血中半減期が約4分と非常に短く、速効性で調節性に優れているので、従来のβ遮断薬と異なり、手術時の頻脈性不整脈の緊急処置が可能な画期的新薬です。

小野薬品工業株式会社
広報室
TEL : 06-6222-5551
FAX : 06-6222-2875

参考資料(用語解説)

・頻脈性不整脈
心臓は左右の心房および心室からなり、それらが規則正しく収縮し全身に血液を送り出しています。
通常、心拍数は60〜70回/分ですが、何らかの原因で十分な心臓の機能や血液循環を維持出来なくなるほど心拍数が増加した状態(通常100回/分以上)や心臓のポンプ機能が低下することで脈が乱れ、心拍数が増加した状態を「頻脈性不整脈」といいます。
この「頻脈性不整脈」には、その原因が心房に由来する「上室性不整脈」と心室に由来する「心室性不整脈」があります。
また、「上室性不整脈」の中には「心房細動」「心房粗動」「洞性頻脈」「上室性頻拍」および「上室性期外収縮」があります。


・心房細動、心房粗動
通常、心臓はリズミカルな収縮を繰り返すことで、全身に血液を送り出す、いわばポンプの役割をしています。
この規則正しいリズムが何らかの原因で乱れ、心房が1分間に300〜500回も震える状態を「心房細動」または「心房粗動」といいます。
心房細動は心房の震えの一部が不規則に心室に伝わり心室が動いている状態です。また、心房粗動は心房の震えが一定の間隔で比較的規則性をもって心室に伝わり心室が動いている状態です。


・洞性頻脈
リズミカルな収縮はするものの、そのリズムが非常に早くなってしまった状態(1分間に100回以上)を洞性頻脈といいます。


・β1受容体
交感神経の伝達物質であるノルアドレナリン、アドレナリンなど(以下、カテコールアミン)は発汗や心拍数の増加など、生体内でさまざまな作用をしています。
たとえばカテコールアミンを「鍵」とすると、その「鍵穴」に相当するのが受容体です。
このカテコールアミンの受容体は数種類ありますが、その中で特に心臓に多く存在すると云われているのがβ1受容体です。
手術時の気管内挿管および抜管、皮膚切開、手術操作などの生体への種々の刺激によって、カテコールアミンが過剰に分泌され、心臓のβ1受容体に強く作用すると、心拍数が増加し頻脈性不整脈を発生しやすくなると云われています。



注射用オノアクト®50の製品概要

一 般 名:塩酸ランジオロール
成分・含量:1バイアル中、塩酸ランジオロール50mgを含有
効能・効果:手術時の下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:
心房細動、心房粗動、洞性頻脈
用法・用量:塩酸ランジオロールとして、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01〜0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。
製造販売元:小野薬品工業株式会社