経営戦略

企業理念および基本方針

当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる革新的な新薬の創製を目指し、積極的な努力を続けています。

また、人の生命に関わる医薬品を取り扱う製薬企業としての責任を深く自覚し、法令遵守はもとより高い倫理観に基づき行動すべく、コンプライアンスの一層の強化に努めています。

価値創造プロセス

独創的かつ革新的な新薬を持ち、世界のフィールドで闘える
グローバル スペシャリティ ファーマ

成長戦略

持続的な成長の実現に向けて、4つの成長戦略を遂行しています。

当社は、「グローバル スペシャリティ ファーマ」の実現に向けて、「製品価値最大化」「研究開発体制の変革」「海外への挑戦」「企業基盤の強化」の4つの成長戦略に取り組んでいます。 この1年の主な進捗について申し上げますと、「製品価値最大化」については、2020年2月にオプジーボについて新たな効能・効果を2つ取得し、適応がん腫を9がん腫に拡大することができました。特に、食道がんに対する承認取得は、免疫チェックポイント阻害薬では世界初となります。また、「オレンシア皮下注」「オレンシア点滴静注用」について、すでに取得している関節リウマチの効能・効果に、「関節の構造的損傷の防止」に関する記載を追加する承認を取得しました。さらに、「カイプロリス点滴静注用」についても、再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する用法・用量の追加承認を取得し、従来の週2回投与に加え、利便性に優れた週1回投与が可能となっています。

「研究開発体制の変革」については、医療ニーズの高いがん、免疫、神経、およびスペシャリティ領域を創薬の重点研究領域に定めて経営資源を集中的に投入し、疾患専門性を高めています。また、前述した通り、米国でコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を立ち上げることができました。これにより、当社のオープンイノベーションはさらに厚みを増し、新規技術の早期の取り込みなどができることを期待しています。
「海外への挑戦」については、2019年4月にグローバル臨床開発部の機能を日本から米国の現地法人に移管し、欧米での臨床試験や承認申請業務を自社で行える体制を整備しました。
「企業基盤の強化」については、E R M( E n t e r p r i s e R i s kManagement)を2019年度から導入し、全社的なリスクマネジメント体制を構築するとともに、リスクの特定と対応の検討などを進めています。

成長のための戦略投資

「新たなイノベーションの創出」 と 「人財」 に重点的に投資しています。

将来の成長の柱を築くためには、戦略的な投資が欠かせません。
当社は新薬開発に特化した研究開発型製薬企業として、限られた経営資源を新薬の創製と開発に集中することが重要であると考え、「新たなイノベーションの創出」と「人財」に重点的に投資しています。当社はこれまで、創薬においては規模ではなく質を追求してきました。しかし、今後世界の市場で闘い、厳しい競争を勝ち抜いていくには、質を担保するための一定の規模が必要です。現在、国内での新薬開発にかかる費用は1剤あたり約200億円ですが、グローバルで開発を行うにはその10倍、約2,000億円もの費用が必要です。仮に優れた新薬候補化合物を生み出せたとしても、グローバルに治験を展開するための十分な資金とノウハウがなければ、ライセンスアウトによるロイヤルティの獲得のみに甘んじることになります。

そこで、現在は年間700億円程度の研究開発費を、まずは1,000億円、将来的には日本のトップクラスの水準である2,000億円にまで引き上げることを目標としています。それだけの研究開発費を投じるには、当然、売上の拡大が必要ですが、研究開発費を1,000億円にまで引き上げることは、オプジーボを中心とした既存製品の価値最大化により可能であると考えています。
人財については、グローバル人財の育成と獲得に力を入れています。研究部門の若手社員を欧米の共同研究先や創薬提携先に派遣することからはじめ、現在は開発部門や臨床試験部門、マーケティング部門でも同様の取り組みを進めています。また、キャリア採用で優秀な人財を多数獲得しています。能力の高い人財ほど流動性が高いという事実を織り込みながら、特に若手社員の育成に力を注ぎ、できる限り当社に定着してもらえるよう、魅力的な職場環境づくりに努めています。