監修:シニアメンタルクリニック日本橋人形町 院長 井関栄三先生

●治療や心がけること

アルツハイマー型認知症の治療は?

「もの忘れ」の進行を遅らせるお薬での治療が中心となります。
「記憶力」など脳の機能を発症前の状態まで回復させることは難しいですが、継続して使用することで、お薬を使用しない場合とくらべてよい状態を維持することが知られています。
お薬には飲むタイプのものと貼るタイプのものがあり、どのお薬が認知症ご本人にとって使いやすいか、医師と相談しながら決めることができます。

認知症治療はみんなで!

国や自治体では、家族だけでなく医療機関や地域全体で認知症の人を支えるための取り組みを始めています。認知症ご本人だけでなく、周囲の方でも「あれ、おかしいな」と感じることがあれば、かかりつけ医や市区町村の窓口※に相談をしましょう。
※お住まいの市区町村の役所・役場にお問い合わせください。

【もの忘れ】の進行予防には、「楽しいことを積極的に」行うことが効果的

脳の機能は、使わないことでどんどんと衰えていきます。
家事を積極的に行ったり、趣味を楽しむ時間をもつことが脳によい刺激を与えます。
また、健康を維持するため、十分な睡眠や適度な運動、バランスのとれた食事など、規則正しい生活習慣をこころがけることも大切です。

■絵画を楽しむ

覚えることが苦手になっても自由に楽しめることのひとつが、絵を描くことです。描き方にとらわれず、さまざまな方法で描いてみましょう。

■できることは自分で

体験的に身につけたことや得意なことは、もの忘れが進んでからでも上手にできることが多いです。楽しんでできることであれば、料理や家事なども立派なリハビリになります。

■音楽を楽しむ

絵画と同じように、楽しむことで心が癒される人が多いです。楽器を演奏する、歌を歌う、音楽に合わせて手拍子をとるなど、好きなスタイルで音楽を楽しみましょう。

■園芸

手入れした草木が育ち、花や実をつける様子は心が癒されるものです。植物を育てることが得意な人は、続けてみるのもよいでしょう。

■適度な運動を

軽いウォーキングなどの有酸素運動が脳の機能にもよい影響を及ぼすといわれています。ときにはコースを変え、景色を楽しみながら続けましょう。

■思い出を語り合う

昔の体験を語りあったり、その時の感情を共有することは脳への刺激になるだけでなく、心の安定につながる効果があります。子どものころによく遊んだ遊びや好きだった食べ物などの話をきっかけに、思いがけず楽しかったエピソードなどを思い出すこともあります。