研究における人権配慮

「人を対象とする医学系研究」倫理委員会

医薬品の研究開発においては、ヒトにおける有効性や安全性を予測するための有効な手段として、ヒト由来試料(血液、組織、細胞、遺伝子など)を用いた研究(以下、「ヒト組織を用いた研究」)を行うことがあります。そのような研究の実施に際しては、当該研究の必要性、有用性について試料提供者の理解と同意を得るとともに、研究の過程で知り得た個人情報を適切に管理してプライバシー保護に努めるなど、倫理的な配慮が不可欠です。特に遺伝子解析を伴うものについては、試料提供者ばかりでなく血縁者の遺伝的素因を明らかにすることにもつながり、その取扱いによっては、様々な倫理的、法的または社会的問題を招く可能性があることを十分に認識しておく必要があります。また、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)の研究利用は、ヒトES細胞が人の生命の萌芽であるヒトの胚を壊して作製されたものであること、あらゆる細胞に分化する能力をもつことから、生命倫理上の懸念点を有することを認識しています。ヒトES細胞の研究利用にあたっては、関係法令および指針を踏まえ、社内の倫理委員会において慎重に検討すべきと考えております。

当社では、「ヒト組織を用いた研究」を適正に実施するために、国の基本指針(「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」)に基づいた社内規程を定めております。また、諮問委員会として「人を対象とする医学系研究」倫理委員会を設置し、各研究計画の倫理的および科学的妥当性を厳正に審議しています。

委員会の構成

「人を対象とする医学系研究」倫理委員会は、学識的かつ多元的な視点から公正かつ中立的な審査が行えるように、倫理・法律を含む人文・社会科学面の有識者、自然科学面の有識者および一般の立場の者を含む社外および社内の委員で構成されています。厚生労働省の倫理審査委員会報告システムを通じて、委員会規則や委員会名簿および議事の概要などを公表しておりますので、詳細についてはそちらをご覧ください。