グローバル展開

当社が創製・開発した医薬品を世界中の患者さんにお届けするために、グローバル開発・自社販売展開できる体制の構築を進めています。また、近年は自社品のみならずグローバル導入品を獲得し、グローバルパイプラインの強化を図っています。まずは大規模な営業組織を必要としないニッチな領域の製品について、海外での自社販売を目指して取り組んでいます。

グローバル企業への成長に向けたステップ

当社は、グローバル企業に向けた3ステップを設定しています。現在はStep2の段階であり、大規模な営業組織を必要としないニッチな領域の製品について、欧米での自社販売を目指して取り組んでいます。


Step 1 :海外自販への挑戦 | 韓国・台湾で自社販売体制を確立しアジアでのプレゼンスを着実に向上


当社におけるグローバル展開は、韓国で2013年度に韓国小野薬品を、台湾で2014年度に台灣小野藥品を、それぞれ当社100%出資子会社として設立したのを機に本格化しました。自社による販売体制を構築し、韓国では2015年度から、台湾では2016年度から、それぞれオプジーボの自社販売を開始しました。オプジーボについては、これまでに韓国で10のがん腫、台湾では11のがん腫について承認を取得しています(2023年6月末現在)。
また、ベレキシブルは2021 年度に韓国、2022年度に台湾での「再発又は難治性のB細胞性中枢神経系原発リンパ腫」の適応で承認を取得し、自社販売を開始しています。さらに、ビラフトビは韓国で2021年度に「BRAFV600E変異を有する進行・再発の結腸・直腸癌」の適応で自社販売を開始。アジアでのプレゼンスを着実に高めています。

進捗
2013 韓国にて韓国小野薬品を設立
2014 台湾にて台灣小野薬品を設立
2015 韓国にてオプジーボの自社販売開始
(2023年6月末時点で10のがん腫の承認を取得)
2016 韓国にてオプジーボの自社販売開始
(2023年6月末時点で11のがん腫の承認を取得)
2021 韓国にてベレキシブル、ビラフトビの自社販売開始
2022 台湾にてベレキシブルの自社販売開始

Step 2 :欧米自販の実現 | 自社販売・開発に向けて体制を強化


ONO PHARMA USA, INC. においては、2021年4月のマサチューセッツ州ケンブリッジへのオフィスの移転を機に、医薬品産業における経験が豊富である優秀な人財を獲得することで、競争力のある組織体制づくりを進めています。ONO-4059などの新規化合物に関する開発体制を拡充するとともに、自社販売に向けてコマーシャル部門、ファーマコヴィジランス部門、メディカル部門などの人財を採用し、上市に向けた体制を強化しています。

進捗
1998 英国にてONO PHARMA UK LTD.を設立
米国にてONO PHARMA USA, INC.を設立
2023 米国にて臨床試験開始
(2023年6月末時点で6品目の試験を実施中)
2023 英国にて臨床試験開始
(2023年6月末時点で6品目の試験を実施中)

また、欧米では2023年6月末現在6品の臨床試験を実施しており、ONO-4059に続く開発品のPoC(プルーフ・オブ・コンセプト:新薬候補物質の有用性・効果が認められること)確立を目指しています。欧州では開発部門を中心に現在、約60名の組織体制となっていますが、引き続き開発を含めた体制の整備・強化に取り組み、後期臨床試験から承認申請までを自社で実施できる開発体制の構築を進めます。また、実施中の臨床試験の状況を鑑み、マーケティングや営業などの自社販売体制の構築も進めていきます。


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「小野薬品のR&Dの底力と限りない可能性」を信じ米国事業の基盤を構築

President & CEO, ONO PHARMA USA, INC.
伊藤 邦彦

当社で初めての米国事業参入を成功させるために、中長期のビジョンと戦略を描き、2021年にマサチューセッツ州ケンブリッジで新しくオフィスを開設しました。米国でも、ファーストインクラスの製品を継続して上市していくことを目指しています。目下、優れたリーダーを採用し、組織を立ち上げ、開発活動と製品上市準備活動に取り組んでいます。当社のR&Dの底力と限りない可能性を信じ、米国での事業基盤のプラットフォームを各バリューチェーンで構築中です。当社は、患者さんにとって真に役立つグローバルスペシャルティーファーマを目指しています。一人では到底見ることができない大きな夢ですが、全社員でその夢を追いかけていきます。



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グローバルスペシャリティファーマを目指して

Vice President, Sales & Marketing, ONO PHARMA USA, INC.
Archana Sondhi

わたしたちは情熱的な人財を採用することがアンメットニーズを持つ患者さんに最善のケアを提供する重要なステップであると考えています。米国のオンコロジー領域で豊富な経験とリーダーシップを有するチームを構築し、目標達成のために優秀な人財の採用を進め、日本における成功を活かすことで米国市場においてファースト・イン・クラスの医薬品を患者さんに提供することに取り組んでいます。ステークホルダー・エンゲージメントのためにベストインクラスのオムニチャネル戦略を含む、販売体制、マーケットアクセス、運営基盤を構築しています。当社の能力と専門知識をもとに米国市場で医薬品パイプライン拡充に自信を持って取り組んでいます。




Step 3 :真のグローバル企業へ | 継続的な新薬投入によるシェア拡大と中国・ASEANへの販売網拡充を目指す

Step2までに販売拠点を築いた地域では、さらなるアンメットニーズを満たす新薬を継続的に投入し、さらに中国・ASEANをはじめとした地域でも販売網の拡充を検討していきます。

海外拠点

  • 写真は現地オフィスが入居しているテナントビルです。