平成13年4月23日

経口プロスタグランジンE1誘導体製剤リマプロスト 効能・効果の追加承認について

 リマプロスト アルファデクスは両社の共同研究から生まれた経口プロスタグランジンE1誘導体の製剤で、1988年に「閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善」を効能・効果として承認され、両社それぞれ別銘柄(オパルモン錠:小野薬品工業株式会社、プロレナール錠:大日本製薬株式会社)で販売してきております。

リマプロストは四肢の血流を改善する作用のみならず、腰部脊柱管の中を走っている馬尾(ばび)神経に栄養を供給している血管の血流をも改善することが報告されていたことから、両社は1991年より腰部脊柱管狭窄症に対する効能拡大を目指し、共同開発を進めてきました。

その結果、有効性および安全性が確認され、2001年4月4日付で「後天性の腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行(はこう)を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善」の効能・効果が新たに追加承認されましたのでお知らせ致します。
尚、本効能・効果が承認された薬剤は国内外でリマプロストが初めてです。

近年、高齢化の進展に伴い腰部脊柱管狭窄症の患者さんは増加傾向にあると思われます。
腰部脊柱管狭窄症は、特に高齢者に多く発症し、主に加齢による骨変化(椎間関節や椎骨の変形)や脊柱管の内壁を被う靭帯の肥厚などが原因で腰部脊柱管の内腔が狭くなり、脊柱管の中を走っている馬尾神経に栄養を供給する血管の血液循環が悪くなり神経機能が障害される疾患で、下肢の疼痛やしびれにより歩行が困難(間欠跛行)になることが多いといわれております。

リマプロストは低下した馬尾神経の栄養血管の血流量を増加させることにより神経機能障害を改善し、下肢の疼痛、下肢のしびれおよび歩行能力(間欠跛行)を改善する薬剤で、腰部脊柱管狭窄症に伴う諸症状を緩解することで患者さんのQOL向上に有用な薬剤になるものと期待しております。

小野薬品工業(株)	広報室
              TEL:06-6222-5551
大日本製薬(株)	広報室
              TEL:06-6203-1407


参考資料(用語解説)

・馬尾神経とは
脊柱とは背骨の専門的な呼び方ですが、脊柱の内側は空洞になっていることから脊柱管といわれ、腰の部分が腰部脊柱管です。
脊柱管の中には脳から続く脊髄といわれる神経が走っていますが、腰部のあたりで脊髄神経は終わり、そこから下方に向かって馬のしっぽのように束になった神経が延びてい ます。これが馬尾神経と呼ばれる神経で、主に腰から下にかけての神経機能を維持する役割を担っているとされています。


・間欠跛行とは
腰部脊柱管狭窄症の患者さんは、少し歩き出すと太ももやふくらはぎや足先にしびれや痛みが走り歩けなくなるのですが、しばらく休息すると、また歩けるようになります。 このように休み休みしながら歩くことを間欠跛行といいます。


・SLR試験(straight leg raising test)とは
下肢伸展挙上試験といわれ、椎間板ヘルニアを診断する際によく行われます。
患者さんを仰向けに寝かせ、医師が足首に手を添え、患者さんの足を延ばしたままの状態で上方へ持ち上げていきます。一般的に70度位まで徐々に足を持ち上げて 痛みがあれば椎間板ヘルニアを疑うとされています。
この試験を行うことによって、腰部脊柱管狭窄症による下肢の症状なのか、椎間板ヘルニアによる症状なのかの鑑別がなされます。



オパルモン®錠・プロレナール®錠 製品概要

1.一 般 名:リマプロスト アルファデクス(limaprost alfadex)
2.組  成:1錠中リマプロスト5μgをリマプロスト アルファデクスとして含有する。
3.効能・効果:*後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ) および歩行能力の改善
閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善
4.用法・用量:*後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ) および歩行能力の改善には、通常成人に、リマプロストとして1日15μgを3回に分けて経口投与する。
閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善には、 通常成人に、リマプロストとして1日30μgを3回に分けて経口投与する。
5.製 造 元:小野薬品工業株式会社
大日本製薬株式会社
 発 売 元:小野薬品工業株式会社(オパルモン錠)
大日本製薬株式会社(プロレナール錠)
*新たに承認された効能・効果、用法・用量です。